LPガスのメリット:災害にエネルギー
LPガスは、各家庭に個別供給が可能な「分散型エネルギー」なので、災害発生時にガスの供給が遮断された場合でも個別に調査・点検を行うことで早期の復旧が可能なのです。特に災害時には被災地で役立っています。
2011年3月に起きた東日本大震災の際には、被災した3県(岩手県、宮城県、福島県)のライフラインの全面復旧までの日数を見ると、プロパン(LP)ガスは41日で復旧できたのに対し、都市ガスが53日、電力に関してはなんと3ヶ月以上の99日という日数を要しました。
通常、LPガス容器は2本セットで設置され、言わば軒下に在庫がある状態となっているので、1本目が切れても2本目で1か月以上ガスを使うことができます(50kg容器×2本の場合)。
LPガスは緊急時のエネルギー源として、避難所や仮設住宅等にも迅速に供給することも可能です。
ちなみに都市ガスは、ガスホルダーに貯蔵してあるガスを地中のガス管を通じて各家庭に供給するので、災害が起きるとガス管が破損していないかどうか掘り起こして検査しなければなりません。万一、破損していれば大掛かりな修理が必要となるため、復旧までに相当の日数を要します。
LPガスのメリット4:発熱量が高いエネルギー
プロパン(LP)ガスは発熱量が高く、燃焼時の発熱量は都市ガスの約2.2倍です。つまり、2倍強の火力があります。単純計算すると、LPガスを使って水を沸騰させるのに10分かかったとすれば、都市ガスだと22分かかることになります。
身近なところでは、中華料理店、てんぷら専門店、ラーメン店など火力が強ければ強いほどおいしい料理ができる飲食店ではLPガスがよく使われています。
しかし、一般家庭においては都市ガスのコンロのガス穴はLPガスのものより大きく、ガスが多く出るようになっているので、実際には水が沸騰する時間はほぼ変わりません。
<LPガスの安全対策>
ガス容器(ボンベ)がむき出しになっていることもあり、「LPガスは突然、爆発するのでは?」と心配する人もいるでしょう。しかし、LPガス容器は非常に耐久性が強く、地震などで転倒したとしても平らな場所であれば破損することはありません。
また、一般家庭では、ガスによる大きな事故を未然に防ぐためマイコンメーターに「集中管理システム」が完備されています。
利用者宅と集中管理センターとを電話回線で結び、ガスの異常を感知した時点ですぐに対処できるよう、24時間365日安全を見守るシステムです。
例えばガスに異常が発生した場合、自動的に通報され、スタッフが利用者に電話で状況を知らせします。また、うっかり消し忘れたガスの遮断、ガス漏れの事故にも速やかに対処する他、ガス残量の通報や使用量の検針を自動的に行います。